セレンゲティの雨基金

マティンデさんとウィルソンくん2度目の転校(2010年9月)

プロジェクト責任者: 岩井雪乃

マティンデさんとウィルソンくんは、2010年7月からコリラ中学校へ転校しました。コリラ中学校は、カトリック系の団体の運営する学校で、歴史の長い学校です。中学校と高校が併設されていて、教員の数が多く、きちんと授業をしてくれます。

photo 

●タンザニアの中学校の状況

タンザニア政府は近年、中等教育に力を入れており、中学校の数は急激に増えています。しかし、教員の養成がそれに追いついておらず、多くの学校で教師不足になっています。教師が足りない学校では、生徒が教室にいても授業が行われず、自習時間が多くなってしまいます。

ウィルソンとマティンデが転校前に行っていたロンベタ中学校は、教師は臨時採用が多く、短期間でやめてしまう先生もいて、授業に熱心ではありませんでした。生徒たちが落ち着いて勉強することができなかったようです。これに比べると、キコラ中学校は歴史が長いので、先生が安定して務めることができています。

結局、生徒の学力が上がるか、勉強に集中できる環境かは、先生の質によって決まります。質の良い先生が安心して務められる学校が、タンザニアでは「いい学校」ということになります。

photo
ウィルソンのお母さん(左)から支援者の原田さんと寺嶋さんへのプレゼント

●6月の夏休み中は町で塾に通う

タンザニアの子どもたちも、最近は塾に通うのが当たり前になっています。上に書いたように、多くの学校では教師不足なので、テストに出る範囲すべてを学校では教えてもらえません。そのため塾で補わなければなりません。

6月は丸まる1か月夏休みでしたが、われらがウィルソンとマティンデも塾に通っていました。これがまた、お金がかかります。塾に行くために乗合バスに乗るので、往復のバス代。朝から夕方まで行ってるので、昼食代。とはいっても、お金がないのでお昼の予算は40円(500シリング)。「昼食」というほどのものを買うことはできず、チャイ(ミルクティー)と揚げパンでしのいだそうです。

アフリックからの支援額では、塾代までは出せないので、町で働く叔母がお給料から捻出していました。

photo
町のビジネスコンビニで働くウィルソンの叔母

●中学を卒業するまでは家に帰らないのが当たり前

このような長期休み中も、子どもたちは実家に帰ることはありません。学校からロバンダ村までの往復交通費だけで5000円はかかります。それなら、その分のお金を学費や塾代に使ったほうがいい、という作戦です。

町で働く叔母の狭い1部屋に、夏休み中は親戚筋の5人の中学生が滞在していました。「いったいどうやって寝ていたんだろう?」と思いますが、彼らにとって、ひしめき合って寝るぐらいは苦ではないようです。「いちばんつらいのは、食べられないことだ」と言っていました。たいした昼食も食べられず空腹では、勉強も集中できないだろうに、それでもがんばって塾で学んでいたと思います。

更新日: 2011-07-14, 作成者: AFRIC Africa