セレンゲティ・人と動物プロジェクト
2008年度活動報告(2008年6月−2009年5月)

プロジェクト責任者: 岩井雪乃

1.目的

このプロジェクトは、タンザニアのセレンゲティ国立公園の周辺で、人と動物が共存できる社会づくりを目指して、奨学金支給による人材育成をしています。

国立公園の周辺では、自然を保護することによるネガティブな影響が発生します。保護区から出てきた動物が、畑を荒らしたり人を襲ったりします。あるいは、政府や外国資本の企業によって、住民の土地が保護区に奪われてしまうことも起こります。

 

セレプロでは、このような自然保護に関わる問題を、住民自身が解決できるようになることが重要だと考えています。自衛策を開発したり政府に働きかけたりすることが必要になりますが、それを外部の人間ではなく、住民自身ができるようにならなくては、ほんとうの「人と動物の共存」はありません。村の未来を自分たちで切りひらく!そんな人材を育てることを目指しています。

今年度は、昨年度からの継続の3名に加えて、ウィルソン君の支援を始めました。

2.2008年度給付実績

  奨学生氏名 性別 年齢 就学先 給付金額(円) 備考(昨年度からの関係)
1 モテンバ・チャンガ 25 財政管理大学 188,700 雨基金
2 ワンブラ・マシンデ 26 タンザニア・
ビジネス大学
88,800 卒業
3 マティンデ・ジュマ 17 ロンベタ中学校 33,300 雨基金
4 ウィルソン・ムゴシ 16 ロンベタ中学校 33,300 雨基金
  合計       344,100  

3.奨学生の状況

(1)モテンバ・チャンガ Motemba Changa (男)25歳 財政管理大学2年生

タンザニアの最大都市ダルエスサラームで、経済系の名門大学で社会保障制度について学んでいます。大学が休みの時期は村に帰ってきて、ホテルのウエイターのバイトをしています。牛の世話も大好きで、母を手伝ってよく働く青年です。やっぱり村に帰ると生き生きしています(写真右)。松田さん(石川県)から支援を受けています。


(2)ワンブラ・マシンデ Wambura Masinde(男)26歳 タンザニア・ビジネス大学3年生

2009年6月に、3年間のコースを終了して卒業しました。現在、就職活動中です。村にいる父は、ワンブラがよい仕事をみつけることを楽しみにしています。8月には、なんと結婚します!奥さんは、看護婦であり、看護学校の先生もしてるしっかりものです。私の学生が病気になったときも、献身的に看病してくれました。

(3)マティンデ・ジュマ Matinde Juma(女)17歳 ロンベタ中学校3年生

寮のない学校に通っていて、悪い誘惑が心配だったマティンデですが、全寮制の学校に転校することができました。これで、家族も安心だし、本人も勉強に集中することができます。
写真は、前の学校で借りていた部屋です。家具は何もなく、1枚のマットレスに同郷の女の子3人で寝ていました。峰岸さん(埼玉)から支援を受けています。

(4)ウィルソン・ムゴシWilson Mgosi(男)16歳 イコマ中学校2年生

原田さん(大阪)と寺嶋さん(東京)のお二人から雨基金で支援を受けて、新しい奨学生が加わりました。原田さんと寺嶋さんは、セレプロの姉妹プロジェクト「エコミュニティ・タンザニア」で、ロバンダ村を訪問してウィルソンに会っています。
ウィルソンの母はシングルマザー。4人の子どもがいてウィルソンは長男です。家事手伝いを率先してやり、下の弟妹の面倒もよく見る、優しくまじめなお兄ちゃんです。

4.セレプロ奨学生の活躍

2005年卒 マベンガ・ソスピーター(30歳)

セレプロで2005年度まで支援していたマベンガは、昨年から就職して公務員となり、イミグレーション(入国管理局)で働いています。パスポートを発行したり、不法滞在者を取り締まったりしています。


5.ロバンダ村代表団の来日

2009年5月19日−28日に、ロバンダ村代表団5名が来日しました。アフリック・アフリカ主催の講演会では、自然保護によって地元の文化や生活が強制的に変えられていることや、アフリカゾウが害獣化している問題などが訴えられました。


更新日: 2009-09-03, 作成者: AFRIC Africa