ロバンダ村人日本滞在記1

講演会報告「地域住民が語る:東アフリカの自然保護の光と影」
WAVOC×アフリック・アフリカ×AJFコラボ企画/2009年5月25日@早稲田大学

岩井雪乃

セレンゲティ・人と動物プロジェクトの活動地であるロバンダ村から、5人の村人が10日間来日しました。アフリカからの生の声を、この機会に日本の人たちに聞いてもらおうと講演会を開催しました。

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保護区として奪われた土地について語るマチャバ氏

 

下記の内容で、4人の村人が語りました。
・住民主体の観光を求めて(ソスピーター・ニゴティ ロバンダ村議員)
・自然保護と土地権利(マチャバ・クナニ ロバンダ村村長)
・アフリカゾウによる農作物被害(ジョイス・マベンガ ロバンダ村議員
・自然保護の文化への影響(マベンガ・ソスピーター NGOセデレック代表)

 

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50名の参加者があった

 

ロバンダ村の人々は、英国植民地時代から狩猟を禁止され、観光利益からは排除され、動物による農作物被害にはあうという、自然保護の負の側面を引き受けてきました。この上からの強制的な自然保護に対して、村人なりの抵抗と共存を試みていることが、講演会では力強く語られました。

 

自分たちの土地権利を守るために裁判で戦ったこと(マチャバ氏)、外資系観光企業に搾取されない契約手続きを村独自で制定していること(ソスピーター氏)、ゾウによって父が殺され母子が残された生々しい被害の様子(ジョイス氏)、生態系保全に地域住民を含めるべきだという訴え(マベンガ氏)がスワヒリ語と英語で語られました。

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空港での出迎え

 

参加者からは「自然保護に、こんな影の部分があるとは考えたことがなかった」「裁判や契約システムなど、自分たちの権利と利益を理解し主張しているところが先進的」「野生の自然を守るものだと思っていたが、ロバンダの人々の暮らしを知ると、人間も含めるのは当然だと思える」「アフリカの村長さんの話を聞けて貴重な機会だった」といった感想をもらいました。

私にとって印象的だったのは、講演会の準備のための打合せをしていた時でした。5人の中でも、自然保護のメリット・デメリットの評価に対する意見が割れたのです。2人は半々ぐらいだと評価し、残りの3人はデメリットのほうが大きいという意見でした。つまり、観光業との関わり方や、狩猟のあり方について、彼ら自身も、どのように自然保護と共存していくのか、どのように村を良くしていくか、模索している過程なのです。

セレプロは、引き続き、村人の主体的な意思決定を応援するよう関わっていきたいと思います。

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ロバンダのお母さんからおみやげをもらう

更新日: 2009-06-07, 作成者: AFRIC Africa