ロバンダ村を訪れて2

セレプロが村にもたらすもの(2009年5月)

早稲田大学商学部卒業  山崎卓郎

セレンゲティ・人と動物プロジェクトのサイトであるロバンダ村を訪れて、僕は正直なところ拍子抜けしてしまった。写真や話から想像していたような村の風景に、ひとつ意外なことがあったからだ。あの同じ服をきている子ども達、みんな小学生なんだ…!僕はそれまでも個人で東アフリカ各国を旅していたので、学生が多いということには当初驚いていたものの、ロバンダ村に着くころにはもう慣れていた。しかし、僻地のロバンダでもこんなに教育のインフラが整っているとは思わなかった。

   

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ロバンダで出会ったキシャという中学生は、高校進学のための試験で高得点を出したらしい。しきりに僕に自慢してきた。俺はエリート!将来はタンザニアの発展に尽くすんだ!と言わんばかり。でも本当に勉強する事に情熱を持っていたようだったし、彼は勉強する事が好きなんだろう。そんな彼を見ていて、タンザニアでは教育というものは成功へのパスなんだな、と感じた。

 

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日本では、高校進学率は97.6%、大学・専門学校進学率は5割を超える。就職氷河期と言われるものの、だいたいは職を見つけ、暮らすことができる。しかし、タンザニアはどうなんだろう。村を見渡すと、働き盛りと思われる男性が暇そうにぶらぶらしている。現在学生である子供達もこうなってしまうのだろうか。村を案内してくれたセデレック(現地NGO)のダミアンは、英語教育は最近になって力を入れはじめたばかりだから、今後期待している、と語っていた。しかし、社会に通用する人材に育つ前に、知識(キシャが言うような進学のための試験)、お金(アフリックによる奨学金のような)を必要とする競争に勝てずに、結局、村でぶらぶらすることになりそうな気がする。

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現在奨学金を受けているモテンバは、自分が村の期待を背負っているということを自覚しているのだろうか。僕と同い年ぐらいのはずだが、彼からは、とても落ち着いていて大人びた印象を受けた。彼はどこまでも優しくサポートしてくれた。

 

ロバンダに必要なのは、彼のようなロールモデルではないかと思う。旅の途中で知り合ったダルエスの貿易商は、タンザニア人はLAZYだから発展していかない!と言っていたが、モテンバのようにしっかりとした人間がいるのも確かだ。彼のように、しっかり勉強して、奨学金も受け、社会で活躍する人材が増えれば、ロバンダの子供達も彼らに憧れ、もっとしっかりとした人生が歩めるのではないだろうか。

 

村の子供達は本当に素直で可愛かった。彼等の将来が、幸せなものになって欲しいと本気で想う。そのために、教育を受けるに値する情熱と、奨学金を送りたいと思えるような勤勉さというものを、せっかく村から出てきたロールモデル・モテンバやワンブラから、しっかりと学んで成長していってほしいと思う。

 

ロバンダ村で出会った子供達が将来どうなっているか、不安もあるが、とても楽しみだ。

(写真はハクナマタタ提供)

 
更新日: 2009-05-01, 作成者: AFRIC Africa