奨学生クレトス君からの手紙(2005年12月)
教員養成大学を卒業しました!

プロジェクト責任者: 岩井雪乃

セレンゲティ・人と動物プロジェクト(セレプロ)の奨学生の1人であるクレトス君が、2005年12月で教員養成大学を卒業しました。これで、小学校の教員としての資格を取得しました。今後は、教師として働きながら、さらに大学に進学するべく努力していくと報告してくれています(教員養成大学は、日本の短大に相当する)。

クレトス君が、就職できる資格を取ってくれてほっとしています。今、タンザニアは小中学校の増強に力を入れているので、就職口には困らないでしょう。とりあえず、最低限の収入を得る手段を確保したので、家族を養っていけると思います。

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クレトスの家族  
うしろに立っているのが妻ニャンギ。祖母が長女ボケを抱いている。その右に長男マエンゴ、近所の子供に抱かれる次女ニャヘンデ。

私が彼と出会った頃(1997年)は、まだ独身で、高校の中退を余儀なくされていた時でした。今の奥さんと結婚するために婚資の交渉をしている頃は、お金のために野生動物肉の違法な商売をしていた時期もありました。家族の生活や学費のために、途中、学業から離れなければならない時期がありましたが、向学心を失うことなく、教員養成大学の卒業まできました。クレトスの並々ならね努力が形になって、本当にうれしいです。

本人は、さらに大学に進学し、ゆくゆくは博士課程にも進みたいと希望しています。アフリックでも、さらなる進学を支援したいところですが、大学は年間15万円ほどかかるので、現在のアフリックの予算規模では難しい側面もあります。大学に合格できるかどうかを見守りながら、今後の支援を検討したいと思います。

クレトス君からの手紙

クレトス・ジュマ・ニャギタ

アフリック・アフリカの皆様

私の学費を支援していただき、どうもありがとうございました。私は、教員養成大学を卒業することができました。支えていただいたすべての皆様に感謝いたします。来年は、さらなる高等教育を目指して、ルアハ大学の教育学部に入学したいと希望しています。学費の問題はありますが。

ご支援どうもありがとうございました。

<自己紹介と今後の展望>

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クレトスの子供たち  
クレトスの3人の子供とクレトスの祖母。クレトスは学校の寮で生活していたので、子供たちはたまにしか父に会えなかった。

家族:子供3人(ボケ6歳小学生、マエンゴ5歳幼稚園、ニャヘンデ3歳)
収入:小学生、中学生向けの個人塾。牧畜業、農業。
略歴:私は、1975年に6人きょうだいの長男としてとして生まれました。母はシングルマザーです。セレンゲティ国立公園に隣接した村に住んでいます。生活は農業が基本です。トウモロコシ、キャッサバ(芋)、米、サツマイモ、豆などを栽培しています。

教育歴・職歴 学費の出所 耕作した作物
1986−92 小学校7年間 無料 トウモロコシ、キャッサバ、米、サツマイモ、豆
1993−94 中学校4年間 トウモロコシと豆の販売、カトリック教会牧師からの支援 トウモロコシ、キャッサバ、サツマイモ、豆
1996 高校1年で中退 別れて暮らしていた実の父親  
1997-99 違法な干し肉販売    
1999-2001 ホテルでシェフとして勤務   大規模な畑
2001-03 高校2年間 自分の貯金、岩井(セレプロ担当者)の個人支援 キャッサバ
2004-05 教員養成大学 アフリック・アフリカからの支援 米、キャッサバ、トウモロコシ
2006年1月現在 個人塾   トウモロコシ

注)私は、1997−99年は野生動物の干し肉の違法な販売にたずさわっていました。しかし、岩井さん(当時は京都大学の大学院生)に出会って、野生動物と環境の重要性を教えられてやめました。私の兄弟も、現在に至るまで二度とやっていません。

今後の展望:
1)2006年1月、小学校教師としての職を探す。
2)2006年5月、いくつかの大学に入学申請。
3)学費を支援してくれるNGOを探す。

更新日: 2006-04-01 作成者: AFRIC Africa