第38回アフリカ先生「いまづ環境学公開講座2009:人類の進化」(兵庫県立西宮今津高校)報告

「森と人が共存する世界:アフリカ狩猟採集民の生活から」(2009年11月5日)

市川 光雄

当日、アフリックの先輩諸氏のアドバイスにしたがって、京都駅からJRを乗り継いで、甲子園駅に行き、そこでまずブランチ、といいうより早めの昼食。それからタクシーで今津高校に向かった。予定時刻のだいぶ前に着きそうだったので、少し手前で降りてあたりを一周。「こんど来る機会があったら、ここで飯を食おう」とか、「定年を控えると暇になるものだ」などと、とりとめもないことを考えながらゆっくりと 高校に向かった。

北村先生の部屋で少し話をしてから2階の教室に向かい、待っている生徒の前でさっそく話し始めようとしたら、いきなり「起立、礼」の号令。「そうか、ここは高校だったか、それにしても、高校ではまだこんなふうにして授業をはじめているんだ」 と、45年前を思い出して少しうれしくなった。

授業ではまず、「自然は無限」という観念のもとで発展してきた現代社会の大量生産=大量消費のシステムが行き詰まっていることを説明した。つぎに、世界の中には最近まで、そうした「無限の自然観」が成り立つような生活を営んでいた人びとがいることを話し、そうした例として、コンゴ盆地の森の民=狩猟採集民の生活について紹介した。森の民は、食物、燃料、薬、物質文化など多種多様な形で森の動物や植物を利用しているが、その一方で、彼らがそこに住み、さまざまな活動を行うことによってそれらの資源が循環し、再生産されているという面がある、つまりここでは、森と人がお互いに支え合っていることを説明した。最後に、こうした資源循環的な世界が大規模な伐採や森林物産の商業化にともなう物資の流出によって、現在では成り立たなくなりつつあることを指摘して授業を終わった。

高校生を相手に話す機会はこれまでにほとんどなかったし、全体に用意したスライドの数が多すぎたので、つい早口に、かつ絶叫口調になってしまったが、はたしてどこまで言いたいことを伝えることができたか、はなはだ心許ないというのが素直な印 象であった。

更新日: 2010-01-02, 作成者: AFRIC Africa