「山羊が食べた赤い実−コーヒーが来た道をたどって」

西真如

コーヒーの利用がいつ頃、誰によって始められたのか確かなことはわかっていません。コーヒー利用の起源についての「三大説話」のひとつとされるものに、カルディという山羊飼いの話があります。そのあらすじは、「昔、カルディという男が山羊を放牧しているとき、山羊たちが赤い木の実を食べて興奮し、飛び跳ねているのを見つけた。カルディからこの話を聞いた修道僧が、試しにこの実を食べると、気分が爽快になり、体に活力がみなぎってきた。」というものです。

今回の「アフリカ先生」では、コーヒーの原産地と言われるエチオピアで、ひとびとがどのようにコーヒーを栽培し、利用しているかを紹介しました。多くのコーヒー生産国では、大規模なプランテーション栽培が主流ですが、エチオピアでは自作農家による在来種コーヒーの栽培が盛んです。また森林コーヒーといって、森の中に野生に近い状態で生育しているコーヒーの収穫が行われるのも、エチオピアならではです。

エチオピアではコーヒーの利用法もさまざまで、特に農村では、コーヒーに塩を入れたり、バターを浮かべて飲みます。香辛料入りのコーヒーや、コーヒーの葉を煮出した飲み物を飲む人たちもいます。

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バター入りコーヒー(右)と蒸留酒(左)は、エチオピアの農家が客をもてなすのに欠かせない飲み物

エチオピアで生産されたコーヒー豆は、日本を含めて多くの国々で消費されます。エチオピアのコーヒー農家にとっては、流通の中で生産者価格が安く抑えられていること、また市場価格が大きく変動することが問題です。エチオピアでは最近、生産者価格を一定に保ち、農家の生活を支えるために、生産者組合を組織し、フェアトレード認証を得る試みが広がっています。

更新日: 2007-12-09, 作成者: AFRIC Africa